「昨今」とは?意味や使い方を例文でわかりやすく解説

ニュースやビジネスの場で耳にする『昨今』という言葉、なんとなく意味はわかるけれど、具体的にどのような場面で使うのが適切なのか気になりませんか?この記事では、『昨今』の正しい使い方や類語との違いをわかりやすく解説していきます。

昨今とは?昨今の意味

少し前の過去から現在までの漠然とした期間を表す言葉

昨今の説明

『昨今』は「さっこん」と読み、比較的フォーマルな場面で使われる時間表現です。『昨』が「過ぎ去った日」、『今』が「現在」を意味することから、過去と現在の間のあいまいな期間を示します。具体的な日数や期間が決まっているわけではなく、文脈によって数ヶ月から数年まで幅広く解釈されるのが特徴です。ビジネスシーンや公式な場面で好んで使われ、日常会話ではあまり用いられません。例えば「昨今の経済情勢」と言った場合、数年間の経済の動向を指すことが多く、「リニューアル後の昨今の忙しさ」では数週間から数ヶ月程度の期間を表すなど、状況に応じて柔軟に使い分けられます。

フォーマルな場面で使える便利な時間表現ですね!

昨今の由来・語源

「昨今」の語源は、漢字の「昨」と「今」の組み合わせにあります。「昨」は「昨日」や「昨年」など過去を表す言葉に使われるように、「過ぎ去った時」を意味します。一方「今」は現在を指します。この二つが結びつくことで、「過去から現在に至るまでの期間」という時間的な広がりを表現するようになりました。平安時代頃から使われ始めたとされ、当初は和文よりも漢文調の文章で用いられることが多かったようです。時間の流れを表現する日本語らしい、繊細なニュアンスを持つ言葉として発展してきました。

時代を超えて愛される、日本語の奥深さを感じさせる言葉ですね!

昨今の豆知識

「昨今」は新聞やビジネス文書でよく使われる言葉ですが、面白いことに日常会話ではほとんど耳にしません。これは「昨今」が持つ格式ばった印象によるもので、カジュアルな場面では「最近」や「この頃」が好んで使われます。また、若者を対象とした調査では、20代の約60%が「昨今」を「さくこん」と誤読する傾向があるというデータも。テレビのニュースキャスターやアナウンサーは、放送で「さっこん」と正しく発音するよう特に注意しているそうです。さらに、企業の社長や政治家がスピーチで「昨今の情勢」と言い出すと、何か重大な発表があるのではと緊張させる効果もあるとか。

昨今のエピソード・逸話

元首相の安倍晋三氏は、国会答弁で頻繁に「昨今」という言葉を使うことで知られていました。特に「昨今の国際情勢」というフレーズはお決まりのパターンで、記者からは「安倍さんが『昨今』と言い出したら、そろそろ本題に入る合図」と冗談交じりに言われていたほどです。また、人気俳優の堺雅人さんはNHKの大河ドラマで武士役を演じた際、時代考証の先生から「江戸時代では『昨今』はあまり使わない」と指摘され、セリフを「このごろ」に変更したエピソードがあります。さらに、小泉純一郎元首相は「昨今」をわざと「さくこん」と読んで、緊張した空気を和ませるという独特の話術を持っていたそうです。

昨今の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「昨今」は時間副詞の一種で、絶対的時間表現ではなく相対的時間表現に分類されます。つまり、発話時点を基準として、それ以前の不特定の期間を指す点が特徴です。興味深いのは、同じ時間を表す「最近」や「近頃」よりも主観的な幅が広く、話し手の意識の中でより長い期間をカバーできることです。また、文体論的には書き言葉的性質が強く、話し言葉では使用頻度が低いという特徴があります。歴史的には、室町時代から江戸時代にかけて次第に使用頻度が増加し、明治時代の文語文において最盛期を迎えました。現代ではやや格式ばった表現として、改まった場面で選択される語彙となっています。

昨今の例文

  • 1 昨今の物価高には本当に参ってしまいますよね。スーパーで買い物するたびに財布の紐が固くなります。
  • 2 昨今の働き方改革でリモートワークが増えたけど、かえって残業が増えた気がするのは私だけ?
  • 3 昨今の若者のSNS依存には驚かされますが、ふと自分もスマホを手放せないことに気づきます。
  • 4 昨今の異常気象には本当に困ります。季節の区別がつかなくなりましたよね。
  • 5 昨今の情報過多社会では、本当に必要な情報を見極めるのが大変です。毎日ニュースが多すぎて追いきれません。

「昨今」の使い分けと注意点

「昨今」を使う際の重要なポイントは、その格式ばったニュアンスを理解することです。ビジネス文書や公式なスピーチでは効果的ですが、友人同士の会話で使うと不自然に聞こえることがあります。

  • ビジネスプレゼンでは「昨今の市場動向」のように使用可能
  • 日常会話では「最近」や「この頃」を使うのが自然
  • 期間が明確な場合は「先月から」など具体的な表現を優先
  • 若い世代には「さっこん」と正しく読まれない可能性を考慮

関連用語と比較表

「昨今」には似た意味を持つ言葉がいくつかありますが、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。

言葉読み方使用場面期間の長さ
昨今さっこん公式・ビジネス中〜長期間
最近さいきん日常会話短〜中期間
近頃ちかごろやや改まった会話短〜中期間
この頃このごろカジュアルな会話短期間
近年きんねん公式文書数年間

歴史的背景と時代による変化

「昨今」は平安時代から使われていたとされる古い言葉ですが、その使用頻度やニュアンスは時代とともに変化してきました。江戸時代には主に知識人層の間で使われ、明治時代には文語文として広く普及しました。

  • 昭和初期まで:文語文の主要な時間表現として頻繁に使用
  • 戦後:口語文の普及に伴い使用頻度が減少
  • 現代:ビジネスや公式文書に特化した使用へ
  • 未来:若年層の誤読増加により、さらに使用が限定される可能性

「昨今」のような格式ある言葉は、時代の流れとともにその役割を変えながらも、日本語の豊かさを支える重要な要素です

— 日本語学者

よくある質問(FAQ)

「昨今」と「最近」はどう違うのですか?

「昨今」はやや格式ばった表現で、ビジネスや公式な場面で使われることが多いです。一方「最近」は日常会話でもよく使われるカジュアルな表現です。また、「昨今」の方がより長い期間を指す傾向があります。

「昨今」はどのくらい前までの期間を指すのですか?

明確な定義はありませんが、文脈によって数ヶ月から数年程度の幅があります。例えば技術の発展について話す場合は数年単位、忙しさについて話す場合は数週間から数ヶ月単位など、話題に応じて柔軟に解釈されます。

「昨今」を日常会話で使うのは不自然ですか?

あまり自然ではありません。日常会話では「最近」や「この頃」を使うのが一般的です。「昨今」は新聞やニュース、ビジネス文書など、改まった場面で使われることが多い言葉です。

「昨今」の読み方は「さくこん」でも良いですか?

正しい読み方は「さっこん」です。「さくこん」は誤読になります。ただし、若い世代を中心に「さくこん」と読む人が増えているという調査結果もあります。

「昨今」を使うのに適した場面はどんな時ですか?

ビジネスのプレゼンテーション、公式なスピーチ、論文や報告書、新聞記事など、格式を重んじる場面で適しています。特に社会情勢や経済動向など、ある程度の時間的幅を持った話題について論じる際に効果的です。