足元をすくわれるとは?足元をすくわれるの意味
油断している隙に不意打ちのような手段で失敗させられること
足元をすくわれるの説明
「足元をすくわれる」は、本来「足をすくわれる」が正しい表現です。この言葉は、文字通り「足を引っ掛けて転ばされる」という物理的な動作から転じて、予期せぬタイミングで卑怯な手段を使われて失敗する様子を表します。例えば、ビジネスシーンで信頼していた同僚に重要な情報を横取りされたり、交渉の最終段階で思わぬ条件を突きつけられたりするような状況がこれに当たります。面白いのは、文化庁の調査によると、誤用である「足元をすくわれる」を使う人の方が圧倒的に多いという事実。言葉は時代とともに変化する生き物なので、もしかすると将来は「足元をすくわれる」も正式な表現として認められる日が来るかもしれませんね。
言葉の誤用も多い現代ですが、正しい知識を持ちながらも相手の表現には寛容でありたいものですね。
足元をすくわれるの由来・語源
「足をすくわれる」の語源は、文字通り「足を引っ掛けて転ばせる」という物理的な動作に由来します。古くから使われている表現で、相手の足元を払って倒すという武術や格闘技の技から転じて、比喩的に「油断している隙に不意打ちを食らう」という意味で使われるようになりました。特に戦国時代には、敵の不意をついて弱点を突く戦術を表現する際に用いられ、そこから現代のビジネスや日常生活における「だまし討ち」的なニュアンスが定着しました。
言葉の誤用も文化の変化の一面。正しい知識を持ちつつ、言語の生き生きとした進化も楽しみたいですね。
足元をすくわれるの豆知識
面白いことに、文化庁の調査では「足をすくわれる」よりも「足元をすくわれる」を使う人の方が多いという結果が出ています。これは「足元」という言葉が「現在の状況」や「立場」を表す比喩としてよく使われるため、自然と「足元をすくわれる」という表現が広まったと考えられます。また、類似の誤用として「言葉を濁す」を「口を濁す」と言ってしまうケースも多く、日本語の慣用句ではこのような「部分的な置き換え」が起こりやすい傾向があります。
足元をすくわれるのエピソード・逸話
有名なビジネスエピソードとして、ソフトバンクの孫正義氏が過去に交渉の席で「足をすくわれそうになった」という話があります。ある大きな提携交渉の最終段階で、相手企業が突然これまで協議していなかった厳しい条件を提示してきたことがあったそうです。孫氏は「まさに足をすくわれるかと思ったが、事前の準備がものを言った」と語り、油断せずに交渉に臨むことの重要性を強調しています。また、政治家の小泉純一郎元首相も、国会答弁で野党から予想外の質問をされた際に「今日は足をすくわれそうになったね」と冗談交じりに話したという逸話が残っています。
足元をすくわれるの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「足をすくわれる」は「すくう(掬う)」という動詞の受身形が慣用句化したものです。日本語ではこのように、特定の動詞と身体部位の組み合わせが比喩表現として固定化されるケースが多く見られます(例:「頭が上がらない」「手を焼く」)。また、「足元」ではなく「足」が正しいという点は、意味論的に「直接対象となる部位」が優先されるためで、同様に「目を疑う」が正しく「目元を疑う」とは言わないのと同じ原理です。このような慣用句の形成プロセスは、日本語の身体語彙を用いた表現の豊かさを示す良い例と言えるでしょう。
足元をすくわれるの例文
- 1 仕事で大きなプロジェクトを成功させて調子に乗っていたら、ライバル社に重要な顧客を奪われてしまった。まさに足をすくわれるとはこのことだ。
- 2 試験勉強で苦手な分野を重点的に勉強したのに、当日は全く別の範囲から出題されて足をすくわれた気分になった。
- 3 彼女の誕生日プレゼントを用意していたのに、親友に先にサプライズを仕掛けられて、完全に足をすくわれてしまった。
- 4 営業成績がトップで優位に立っていたのに、新人社員に最後の大口契約を取られて、足をすくわれる思いをした。
- 5 ずっと準備してきたプレゼンの内容を、同僚に先に発表されてしまい、まさに足をすくわれるような経験をした。
類似表現との使い分け
「足をすくわれる」と混同されがちな類似表現について、使い分けのポイントを解説します。それぞれ微妙なニュアンスの違いがありますので、適切な場面で使い分けられるようにしましょう。
| 表現 | 意味 | 使用場面 |
|---|---|---|
| 足をすくわれる | 不意打ちや卑怯な手段で失敗させられる | 油断している隙をつかれた時 |
| 足を引っ張られる | 誰かが意図的に成功を妨げる | 内部からの妨害を受けた時 |
| 裏切られる | 信頼していた人に背かれる | 人間関係での失望 |
| 出し抜かれる | 先を越されて不利になる | 競争や駆け引きの場面 |
特に「足を引っ張られる」とは明確に区別する必要があります。足をすくわれるのは外部からの攻撃、足を引っ張られるのは内部からの妨害というイメージで覚えておくと良いでしょう。
使用時の注意点
- ビジネスシーンでは、誤用の「足元をすくわれる」ではなく、正しい「足をすくわれる」を使用する
- 受身形で使うことが多いが、能動形の「足をすくう」も可能(例:ライバルの足をすくう)
- 漢字変換時には「掬われる」と変換する(「救われる」は誤り)
- 比喩的な表現なので、文字通りの「足を引っ掛けられる」物理的な意味では使わない
言葉は時代とともに変化するもの。正しい知識を持ちつつも、相手の表現には寛容でありたいものです。
— 日本語研究家
関連する故事・ことわざ
「足をすくわれる」と関連深い故事やことわざをいくつか紹介します。これらの表現も合わせて覚えておくと、日本語の表現力がより豊かになります。
- 「油断大敵」:油断していると大きな失敗につながるという戒め
- 「鳶が鷹を生む」:意外なところから優れたものが現れること
- 「虎の子を野に放つ」:大切なものをうっかり手放してしまうこと
- 「寝耳に水」:予期しない出来事に驚くこと
これらの表現は、いずれも予想外の事態や不意打ちを表現する点で「足をすくわれる」と共通しています。状況に応じて使い分けることで、より効果的な表現が可能になります。
よくある質問(FAQ)
「足元をすくわれる」と「足をすくわれる」、どちらが正しい表現ですか?
正しくは「足をすくわれる」です。「足元をすくわれる」は誤用ですが、文化庁の調査ではこちらの方が使用率が高いという結果が出ています。ただし、正式な文章では「足をすくわれる」を使うことをおすすめします。
「足をすくわれる」と「足を引っ張られる」の違いは何ですか?
「足をすくわれる」は不意打ちや卑怯な手段で失敗させられることを指し、「足を引っ張られる」は誰かが意図的または結果的に自分の成功を妨げることを意味します。前者は外部からの攻撃、後者は内部からの妨害というニュアンスの違いがあります。
ビジネスシーンで「足をすくわれる」のはどんな時ですか?
信頼していた同僚に重要な情報を先に発表されたり、交渉の最終段階で相手から予想外の条件を提示されたりする場合などです。油断している隙をつかれて思わぬ失敗をすることが多いでしょう。
「すくわれる」の漢字は「救われる」ですか?「掬われる」ですか?
正しくは「掬われる」です。「救われる」は助けられるという意味で全く異なりますので、変換ミスに注意が必要です。足を掬う(すくう)という動作から来ている表現です。
なぜ「足元をすくわれる」という誤用が広まったのでしょうか?
「足元」が「現在の立場や状況」を表す比喩としてよく使われるため、自然と「足元をすくわれる」という表現が広まったと考えられます。また、「言葉を濁す」が「口を濁す」になるなど、部分的な置き換えが起こりやすい日本語の特徴も関係しています。