猫をかぶるとは?猫をかぶるの意味
本性を隠して大人しそうに見せかけること、または知っているのに知らないふりをすること
猫をかぶるの説明
「猫をかぶる」という表現は、本来の性格や本心を隠して、おとなしくて無害そうなふりをする様子を指します。例えば、初対面ではとても礼儀正しく振る舞う人が、実はかなり気が強い場合などが典型的な例です。また、物事を知っているのにあえて知らない素振りをするときにも使われ、日常生活では後者の意味で用いられることが多いです。類似の表現として「猫かぶり」という言い方もあり、どちらも人間の複雑な心理や振る舞いを巧みに表現しています。
猫のように時にクールに、時に可愛く振る舞いながらも、本来の姿を隠す様子がなんとも人間らしいですね!
猫をかぶるの由来・語源
「猫をかぶる」の語源には主に二つの説があります。一つは、本来は鋭い爪を持つ猫が、普段はおとなしく可愛らしい姿を見せることから、本性を隠す様子を表現したという説。もう一つは、「ねこだ(猫田)」と呼ばれるむしろやござをかぶって姿を隠す行為から転じたという説です。後者は、江戸時代の農作業で使われていた「ねこだ」をかぶって知らないふりをすることに由来すると言われています。地域によっては「寝ござをかぶる」が変化したとする説もあり、いずれも「隠す」「偽る」という共通のイメージから生まれた表現です。
猫の二面性を見事に表現した、日本語らしい奥深い慣用句ですね!
猫をかぶるの豆知識
面白いことに、「猫をかぶる」という表現は海外にも類似のものがあります。英語では「a wolf in sheep's clothing(羊の皮を被った狼)」、中国語では「披着羊皮的狼(羊の皮を被った狼)」と、日本では猫ですが、他の国では狼や羊が使われることが多いです。また、心理学ではこのような行動を「印象操作」や「自己呈示」と呼び、人間の社会的適応戦略の一つとして研究されています。さらに、猫関連の慣用句は日本に多く、「猫に小判」「猫の手も借りたい」など、猫の生態や性質に基づいた表現が豊富なのも特徴です。
猫をかぶるのエピソード・逸話
有名なエピソードとしては、女優の松嶋菜々子さんが挙げられます。普段はとてもおとなしく控えめなイメージですが、仕事現場ではプロフェッショナルとしてしっかりと意見を言うことで知られています。共演者からは「最初はとても穏やかで猫をかぶっていると思ったが、実際は芯が強くて驚いた」という声も。また、政治家の小泉進次郎氏も、若い頃はおとなしいイメージでしたが、実際にはしっかりとした主張を持つということで、メディアから「猫をかぶっている」と評されることがありました。
猫をかぶるの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「猫をかぶる」は隠喩(メタファー)を用いた慣用句の典型例です。動物の特性を人間の行動に転用するアニマルメタファーとして分類され、日本語には「虎の威を借る狐」「鶴の一声」など類似の表現が多数存在します。また、この表現は「を」格を取る他動詞構文ですが、実際に猫を被るわけではないという点で、意味的な転用が起こっています。歴史的には江戸時代から使用例が確認され、時代とともに「知っているのに知らないふりをする」という意味が強まってきた経緯があります。これは言語の意味変化における意味の特殊化の好例と言えるでしょう。
猫をかぶるの例文
- 1 飲み会では猫をかぶっておとなしくしているのに、カラオケでマイクを握った途端に別人のように盛り上がってしまう自分がいます。
- 2 彼氏のご両親と初めて会う時は、普段の自分よりずっと猫をかぶって丁寧な言葉遣いをしてしまいます。
- 3 仕事では猫をかぶって真面目なフリをしているけど、実家に帰るとだらしない本性が出て母に怒られてしまいます。
- 4 SNSでは猫をかぶっておしとやかな投稿ばかりしているのに、実際は家でパジャマのままゴロゴロしていることが多いです。
- 5 新しい職場では最初の3ヶ月間は猫をかぶっていたのに、慣れてきたらついタメ口が出てしまうことがあります。
使用時の注意点と適切な使い分け
「猫をかぶる」は便利な表現ですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。まず、基本的にネガティブなニュアンスを含むため、相手を直接評価する際には慎重に使いましょう。また、状況によっては適切な表現が異なることもあります。
- ビジネスシーンでは「控えめに振る舞う」「謙虚な態度を取る」などより中立的な表現が適切
- 親しい間柄では「猫被ってるじゃん」とからかい程度に使うのが無難
- 真剣な場面では「本心を隠している」「表面と中身が違う」など明確な表現を選ぶ
特に目上の人に対して使う場合は、失礼にならないよう注意が必要です。あくまで状況や関係性を考慮して使い分けることが大切です。
関連する慣用句と表現
「猫をかぶる」と関連する表現は数多く存在します。それぞれ微妙なニュアンスの違いがあるので、状況に応じて適切な表現を選びましょう。
| 表現 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 能ある鷹は爪を隠す | 実力がある人がそれを表に出さない | 肯定的・尊敬の意味合い |
| 蓑を着て笠を着る | 用心深く振る舞う | 慎重さを強調 |
| 表面を繕う | 外見だけを整える | 偽りや見せかけの意味が強い |
| 仮面を被る | 別の人格を演じる | 意識的な演技を強調 |
これらの表現は、すべて「本来の姿とは異なる印象を与える」という点で共通していますが、それぞれの文脈や使われる場面が異なります。
歴史的な変遷と現代的な用法
「猫をかぶる」という表現は時代とともにその意味合いが変化してきました。江戸時代から使われていた記録がありますが、当初はより文字通りの「猫を被る」という奇妙な行為を指すこともあったようです。
- 明治時代には現在の「本性を隠す」意味で定着
- 大正・昭和期には「知っているのに知らないふり」の意味が加わる
- 現代ではSNS時代ならではの「オンラインとオフラインのギャップ」を表現するのにも使われる
インターネットの普及により、誰もが簡単に別の人格を演じられるようになった現代では、「猫をかぶる」行為はより身近なものとなっています
— 言語学者
このように、時代の変化とともに表現の使われ方も進化しているのが特徴です。デジタル時代における新しい「猫をかぶる」形として、Sアカウントを使い分ける行為なども関連して考えられるでしょう。
よくある質問(FAQ)
「猫をかぶる」と「能ある鷹は爪を隠す」の違いは何ですか?
「猫をかぶる」は本性を隠しておとなしく見せるネガティブな意味合いが強いですが、「能ある鷹は爪を隠す」は実力がある人があえてそれを表に出さないというポジティブな意味です。前者は偽りの印象操作、後者は謙虚さや戦略的な態度を表します。
「猫をかぶる」のは悪いことですか?
必ずしも悪いこととは限りません。状況によっては円滑な人間関係を築くための社会適応術として機能します。ただし、長期間続けたり、騙す目的で行うと信頼を失う可能性があるので、バランスが重要です。
英語で「猫をかぶる」は何と言いますか?
「a wolf in sheep's clothing(羊の皮を被った狼)」が最も近い表現です。また、「play innocent(無実を演じる)」や「pretend to be meek(おとなしいふりをする)」など状況に応じて使い分けられます。
「猫をかぶる」の反対語はありますか?
明確な反対語はありませんが、「本性を現す」「正体を現す」「地が出る」などが反対の意味を表す表現として使われます。また「隠し立てしない」「ありのままを出す」といった言い方も近い意味になります。
なぜ「猫」を使うのですか?他の動物ではダメですか?
猫は飼い主の前ではおとなしくても、実際は狩猟能力が高いなど二面性のある動物だからです。このような特性から、本心と表面の態度が異なる様子を表現するのに最適な動物として選ばれたと考えられています。