「がてら」とは?意味や使い方をわかりやすく解説

「散歩がてら本屋に寄る」という表現を聞いたことはありますか?日常会話で使われるこの「がてら」という言葉、実は1300年以上も前から使われている古い表現なんです。現代でも自然に使えるこの言葉の意味や使い方、気になりませんか?

がてらとは?がてらの意味

一つの行動をするついでに、別の行動も同時に行うことを表す接続助詞

がてらの説明

「がてら」は、主な行動に付随して他の行動も行う際に使われる便利な表現です。名詞や動詞の連用形に接続し、「〜のついでに」「〜を兼ねて」という意味を持ちます。例えば「散歩がてら買い物をする」という場合、散歩という主要な行動に加えて、買い物も同時に行うことを示しています。この表現の面白い点は、奈良時代の万葉集ですでに使われていた古い言葉でありながら、現代でもほとんど同じ意味で日常的に使用されていることです。時代を超えて受け継がれる言葉の力強さを感じさせますね。

古くから使われているのに、今でも自然に会話に取り入れられる便利な表現ですね!

がてらの由来・語源

「がてら」の語源は、古語の「かたがた(旁)」に由来するとされています。「かたがた」は「傍らに」という意味で、そこから「ついでに」「同時に」という意味合いが派生しました。平安時代にはすでに現在の用法とほぼ同じ形で使われており、万葉集や源氏物語などの古典作品にも頻繁に登場します。特に中世以降、口語表現として定着し、現代までその形をほとんど変えずに受け継がれてきた稀有な言葉の一つです。

千年以上の時を超えて愛され続ける、日本語の美しさを感じさせる表現ですね!

がてらの豆知識

「がてら」は、同じ意味で使われる「ついでに」よりも、より文学的で上品な印象を与える表現として知られています。また、関西地方では「がてら」の代わりに「がて」という省略形が方言として使われることもあります。さらに面白いのは、この言葉が1300年以上もの間、ほとんど意味を変えずに使われ続けている点で、日本語の変化の少なさを示す良い例となっています。現代でもビジネスシーンで好んで使われる理由の一つは、この古風で丁寧な響きにあるのかもしれません。

がてらのエピソード・逸話

作家の村上春樹さんは、散歩がてらにアイデアを練る習慣があることで知られています。インタビューで「散歩がてらに街を観察していると、小説の登場人物たちが自然と浮かんでくる」と語ったことがあります。また、落語家の立川志の輔さんは、高座で「買い物がてらに寄り道するのが人生の楽しみ」というネタを披露し、観客の共感を呼んだそうです。さらに、女優の吉永小百合さんは、映画のロケ地訪問がてらにその土地の歴史を学ぶことを趣味としており、その知識の深さにスタッフが驚くというエピソードもあります。

がてらの言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「がてら」は接続助詞に分類され、動詞の連用形や動作を表す名詞に接続して、二つの動作が同時に行われることを表現します。この言葉の特徴は、前件の動作を主目的としつつ、後件の動作を副次的に行うという非対称的な関係を表す点にあります。また、歴史的には、室町時代頃から現在の用法が確立され、江戸時代にはすでに現代とほぼ同じ使われ方をしていました。他の言語と比較すると、英語の「while 〜ing」や中国語の「顺遍」に近い機能を持っていますが、日本語独自の「てら」という接辞を含む点が特徴的です。

がてらの例文

  • 1 スーパーに買い物がてら、ついでにコンビニで新発売のお菓子をチェックしてしまう
  • 2 散歩がてらにカフェに寄ったら、偶然昔の友人にバッタリ会って長話になってしまった
  • 3 駅まで送りがてら、ずっと話したかったあの話題を切り出してみる
  • 4 図書館に本を返しがてら、新刊コーナーでつい時間を忘れて立ち読みしてしまう
  • 5 銀行に行く用事がてら、近所のパン屋で限定メニューをゲットしようと計画する

「がてら」の使い分けと注意点

「がてら」を使う際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。まず、前後の行動に明確な主従関係があることが前提です。主となる行動が先に来て、それに付随する行動が後に来るという構造を理解しておきましょう。

  • 主となる行動を明確にすること(例:散歩がメインで、買い物がサブ)
  • 格式ばった場面では「がてら」、カジュアルな場面では「ついでに」を使い分ける
  • 動詞の連用形(〜しがてら)か、動作名詞(散歩がてら)で接続する
  • 二つの行動が同時に行われることを示す

間違いやすいポイントとして、主従関係が逆になる使い方は避けるべきです。また、あまりにもかけ離れた行動を結びつけると不自然に聞こえることがあるので注意が必要です。

歴史的な変遷と現代での使われ方

「がてら」は日本語の中でも特に長い歴史を持つ表現の一つです。万葉集の時代から現代まで、その基本的な意味と用法がほとんど変化していないことは特筆に値します。

梅の花咲き散る園に我れ行かむ君が使(つかい)を片待ちがてら

— 万葉集 第十巻

現代では、ビジネス文書や改まった場面で好んで使われる傾向があります。特に、効率的な行動をアピールしたいときや、複数の用事を一度に済ませることを強調したい場合に効果的です。SNSなどのカジュアルな場面では「ついでに」が使われることが多いですが、あえて「がてら」を使うことで知的な印象を与えることもできます。

関連用語との比較表

表現ニュアンス使用場面例文
がてら格式ばった、主従関係明確ビジネス、改まった会話出張がてら観光する
ついでにカジュアル、機会利用日常会話、友人同士買い物のついでに寄る
かたがた非常に格式ばった儀礼的な場面ご挨拶かたがたお伺いします
ながら同時進行様々な場面音楽を聴きながら作業する

この比較からわかるように、「がてら」は丁寧でありながら自然な印象を与えるバランスの良い表現です。状況や相手に応じて、これらの表現を使い分けることで、より適切なコミュニケーションが可能になります。

よくある質問(FAQ)

「がてら」と「ついでに」はどう違うのですか?

「がてら」はより格式ばった表現で、主な行動に付随して別の行動を行う際に使います。一方「ついでに」はよりカジュアルで、機会を利用して追加の行動を行うニュアンスがあります。例えば「散歩がてら買い物する」は散歩を主目的としていますが、「散歩のついでに買い物する」は買い物がより強調されます。

「がてら」はビジネスシーンでも使えますか?

はい、使えます。特に「出張がてら取引先を訪問する」や「会議がてら情報交換する」など、格式ばった場面で好んで使われる傾向があります。ただし、非常にカジュアルな会話では「ついでに」の方が自然な場合もありますので、場面に応じて使い分けると良いでしょう。

「がてら」を使うときの文法上の決まりはありますか?

基本的に動詞の連用形(ます形の「ます」を取った形)または動作を表す名詞に接続します。例えば「散歩(名詞)がてら」「買い物(名詞)がてら」「行き(動詞の連用形)がてら」といった形で使います。また、前後の行動に主従関係があることが特徴です。

「がてら」の類語にはどんなものがありますか?

主な類語として「ついでに」「かたがた」「ながら」「かねて」などがあります。ただし、「ながら」は同時進行の意味が強く、「かたがた」はより改まった場面で使われるなど、細かいニュアンスの違いがあります。状況に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。

「がてら」を英語で表現するにはどうすればいいですか?

英語では「while 〜ing」や「on the way to」など状況に応じて表現が変わります。例えば「散歩がてら買い物する」は「go shopping while taking a walk」、「出張がてら観光する」は「do some sightseeing on a business trip」などと訳せます。完全に対応する単一の表現はないため、文脈に合わせて訳し分ける必要があります。