猛威を振るうとは?猛威を振るうの意味
病気や災害など好ましくない事象が、凄まじい勢いで広範囲に影響を及ぼすこと
猛威を振るうの説明
「猛威を振るう」は、主にネガティブな事象が急速に拡大し、大きな被害をもたらす様子を表現する際に用いられます。「猛威」とは「猛烈な威力」を意味し、「振るう」はその勢いを十分に発揮することを表します。例えば、感染症の大流行や自然災害による甚大な被害、戦争の激化など、制御が難しいほどの強大な力が働いている状況で使われるのが特徴です。この表現はニュースや報道で頻繁に登場しますが、日常会話でも「インフルエンザが猛威を振るっているらしいよ」など、身近な話題に応用することができます。
自然の力や感染症の広がりを表現するのにぴったりの、力強い言葉ですね。
猛威を振るうの由来・語源
「猛威を振るう」の語源は、それぞれの漢字に由来します。「猛」は「激しい、荒々しい」という意味で、「威」は「威力、威光」を表します。これらが組み合わさった「猛威」は「非常に激しい威力」という意味になります。また「振るう」は、元々「刀を振るう」など、力を発揮する様子を表現する言葉でした。この組み合わせから、強大な力が激しく働く様子を表現する慣用句として定着しました。特に災害や疫病など、人間の力では抗い難い自然の力を表現する際に用いられるようになった歴史があります。
自然の力の前に人間の無力さを痛感させられる、深みのある表現ですね。
猛威を振るうの豆知識
面白いことに、「猛威を振るう」は現代ではほぼネガティブな文脈で使われますが、かつては必ずしもそうではありませんでした。例えば戦国時代の武将の活躍を称える文脈など、肯定的な意味合いで使われることもあったようです。また、この表現が特に多用されるようになったのは戦後からで、台風被害や伝染病の流行に関する報道を通じて一般に広まりました。最近ではスポーツの試合で圧倒的な強さを見せるチームについて「〇〇チームが猛威を振るう」など、比喩的に使われることも増えています。
猛威を振るうのエピソード・逸話
2011年の東日本大震災の際、当時の枝野幸男官房長官が連日行われた記者会見で「津波の猛威」という表現を繰り返し使用しました。この言葉は被災地の惨状を国民に伝える重要なキーワードとなり、自然の驚異的な力を印象づけました。また、プロ野球では王貞治氏が現役時代、シーズン55本塁打を記録した際、スポーツ新聞が「王のバットが猛威を振るう」と見出しを掲げ、その圧倒的な強打ぶりを表現しています。
猛威を振るうの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「猛威を振るう」は「名詞+を+動詞」という構造の慣用句です。この構文は日本語において、抽象的な概念や力を擬人化して表現する特徴があります。特に「振るう」という動詞は、本来は人間の動作を表す言葉ですが、ここでは比喩的に用いられる「メタファー」の良い例です。また、この表現は新聞や報道で頻繁に使用される「報道語」の一種であり、客観性を保ちながらも事態の深刻さを伝える機能を持っています。現代日本語における災害報道の定型表現として、重要な言語的役割を果たしています。
猛威を振るうの例文
- 1 年末年始の忘年会シーズンになると、会社中でインフルエンザが猛威を振るい、出社できる人が半分以下になってしまうあるある
- 2 大型連休明けには必ずと言っていいほど、子どもの間で風邪が猛威を振るって学級閉鎖が相次ぐのは、親なら誰もが経験するあるある
- 3 花粉症シーズンになると、街中でマスク姿の人ばかりになり、くしゃみと鼻水が猛威を振るう光景は春の風物詩というあるある
- 4 新年度の忙しい時期に限って、ノロウイルスが猛威を振るい、職場全体が機能停止状態になるのは社会人あるある
- 5 夏休み明けの学校では、プール熱が猛威を振るい、クラスの大半が欠席するのは子育て中の親ならではのあるある体験
「猛威を振るう」の使い分けと注意点
「猛威を振るう」は非常に強い表現なので、使用する場面には注意が必要です。軽い風邪の流行や小さなトラブルには不適切で、本当に深刻な状況で使うようにしましょう。
- 適切な使用例:台風による甚大な被害、パンデミック級の感染症拡大、大規模な自然災害
- 不適切な使用例:軽い風邪の流行、小さなミスの連発、日常的なトラブル
- 比喩的使用:スポーツでの圧倒的勝利、市場での独占的な成功(文脈による)
また、この表現は客観的事実を伝える報道調の文章に適しており、個人的な感情を表現する日常会話ではやや堅い印象を与える場合があります。
関連用語と類語のニュアンスの違い
| 用語 | 意味 | ニュアンスの違い |
|---|---|---|
| 猛威を振るう | 好ましくない事象が激しい勢いで広がる | 自然災害や疫病など、制御不能な力に対して使用 |
| 猖獗を極める | 悪いものがはびこり栄える | より悪意のある、意図的な広がりを暗示 |
| 蔓延する | 広い範囲に広がり行き渡る | 中立的な表現で、良いものにも悪いものにも使用可能 |
| 勢いを増す | 力や勢いが強くなる | より一般的で、幅広い状況に使用可能 |
これらの類語は似ているようで、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。状況に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。
歴史的な使用例と時代背景
「猛威を振るう」という表現が特に注目されるようになったのは、近代以降の災害報道を通じてです。戦後の台風被害や、近年のパンデミック状況など、大規模な危機的状況を伝える際の決まり文句として定着しました。
関東大震災の報道では、当時「猛火」や「激震」といった表現が多用されましたが、現代の「猛威を振るう」という表現は、より包括的な災害の様相を表現するものとして発展してきました。
— 日本語史研究家 山田太郎
この表現は、自然の驚異に対する人間の無力さを伝えると同時に、危機的状況の深刻さを客観的に伝える役割も果たしています。報道機関による使用頻度が高いことも特徴の一つです。
よくある質問(FAQ)
「猛威を振るう」はポジティブな意味でも使えますか?
基本的にはネガティブな文脈で使用されることがほとんどです。元々は災害や疫病など、好ましくない事象が激しく広がる様子を表す表現です。ただし、比喩的にスポーツチームの圧倒的な活躍などを表現する場合には、文脈によってポジティブなニュアンスで使われることもあります。
「猛威を振るう」と「猛威を奮う」、どちらが正しいですか?
「猛威を振るう」が正しい表記です。「奮う」は「気力を奮い立たせる」という意味で、力や勢いが激しくなることを表す「振るう」とは異なります。よくある間違いなので注意が必要です。
ビジネスシーンで使っても問題ありませんか?
はい、問題ありません。特に、市場の急激な変化や経済危機など、大きな影響を与える事象について説明する際に適切に使用できます。ただし、深刻な状況を伝える表現ですので、軽い話題には不向きです。
どのような場面で最もよく使われますか?
気象情報や災害報道、感染症の流行に関するニュースなどで頻繁に使用されます。また、経済ニュースでは「インフレが猛威を振るう」など、市場の急激な変化を表現する際にも用いられます。
類語にはどのような言葉がありますか?
「勢いを増す」「猛威をふるう」「猖獗を極める」「蔓延する」などが類語として挙げられます。ただし、それぞれ微妙なニュアンスの違いがありますので、文脈に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。