「行きがけの駄賃」とは?意味や使い方・由来をわかりやすく解説

「行きがけの駄賃って、どうして泥棒のイメージがあるんだろう?」と思ったことはありませんか?実はこの言葉、もともとは馬を使った運送業から生まれた、とても実用的な表現なんです。現代では悪い意味で使われることも多いですが、本来はついでに得られるちょっとした利益を表す便利な言葉です。

行きがけの駄賃とは?行きがけの駄賃の意味

何かをするついでに、別のこともして利益や恩恵を得ること

行きがけの駄賃の説明

「行きがけの駄賃」は、江戸時代の馬子(まご)と呼ばれる運送業者の習慣から生まれた言葉です。荷物を取りに行く際、馬を空で行かせるのはもったいないと考え、行きの道中で別の荷物も運んで収入を得ていたことから来ています。現代では、買い物のついでに郵便局に寄るような日常的なことから、悪事のついでに別のものを盗むようなネガティブな意味まで、幅広く使われています。ポイントは、あくまで「ついで」であることで、メインの目的ではないことが重要です。

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行きがけの駄賃の由来・語源

「行きがけの駄賃」の語源は江戸時代の運送業に遡ります。当時、荷物を運ぶ馬子(まご)たちは、問屋へ荷物を受け取りに行く際、往路の馬を空で行かせるのはもったいないと考えました。そこで、行きの道中で別の荷物も運び、追加の収入を得る習慣がありました。この「ついでに得る利益」を「駄賃」と呼んだことから、この言葉が生まれました。駄賃の「駄」は駄馬(劣った馬)を意味し、身分の低い馬子が使う馬に由来しています。

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行きがけの駄賃の豆知識

面白いことに、「行きがけの駄賃」には「帰りがけの駄賃」という派生語も存在しますが、これは後世の造語です。また、現代ではネガティブな文脈で使われることが多いですが、本来はビジネス効率の良い行動を褒める意味も含んでいました。さらに、読み方には「ゆきがけのだちん」と「いきがけのだちん」の二通りがあり、辞書によって記載が異なることもあります。

行きがけの駄賃のエピソード・逸話

有名な落語家の桂枝雀さんは、高座で「行きがけの駄賃」を使った小話をよく披露していました。ある時、買い物に出かけたついでに知人宅に寄り、お土産まで貰って帰ってきたという話で、「これぞまさに行きがけの駄賃や」と得意げに語り、客席を笑わせたそうです。また、作家の池井戸潤さんはインタビューで、執筆の合間に散歩に出てアイデアを得ることを「行きがけの駄賃的発想」と表現し、創造的な作業におけるついでの重要性を語っています。

行きがけの駄賃の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「行きがけの駄賃」は複合語として分析できます。「行きがけ」は「行く」の連用形に接尾辞「がけ」が付いた形で、「〜する途中」という意味を表します。「駄賃」は、駄馬を使った運送料金という原義から転じて、副次的な利益一般を指すようになりました。この言葉は、日本語の特徴である「行為の過程で生じる副次的效果」を表現する慣用句の典型例です。また、肯定的な意味から否定的な意味へと意味変化した例としても興味深く、社会の価値観の変化を反映していると言えます。

行きがけの駄賃の例文

  • 1 スーパーに買い物に行ったついでに、行きがけの駄賃で薬局にも寄って常備薬を買っておいたら、後で風邪をひいた時に本当に助かった
  • 2 会社の出張で東京に行くことになって、行きがけの駄賃に久しぶりに大学時代の友人と会って食事してきた。予定外の良い時間が過ごせて嬉しかった
  • 3 子供を塾に送りに行くついでに、行きがけの駄賃でコンビニによってコーヒーを買うのが、私のささやかな日常の楽しみになっている
  • 4 図書館に本を返しに行ったら、行きがけの駄賃で面白そうな新刊の展示を見つけて思わず借りてしまった。予定外の読書が楽しみに
  • 5 役所に書類を提出しに行った帰り、行きがけの駄賃で近所のパン屋によって焼きたてのパンを買って帰ったら、家族にすごく喜ばれた

使用時の注意点と適切な使い分け

「行きがけの駄賃」を使う際には、文脈によって受け取り方が大きく変わるため注意が必要です。基本的には中立な表現ですが、状況によってはネガティブな印象を与える可能性があります。

  • ビジネスシーンでは、効率性を強調するポジティブな文脈で使用可能
  • 目上の人に対しては「ついでに」というニュアンスが軽く捉えられる可能性があるため注意
  • 犯罪や不正に関連する話題では絶対に使用しない
  • フォーマルな場面では「併せて」「同時に」などのより丁寧な表現が望ましい

特に、取引先や上司との会話では、本来の目的を尊重しつつ追加の価値を提供するというニュアンスで伝えることが重要です。

関連用語と類義語の比較

用語意味ニュアンスの違い
行きがけの駄賃ついでに利益を得ること副次的で予定外の利益
一石二鳥一つの行動で二つの利益を得ること計画的で意図的な効率化
濡れ手で粟苦労せずに利益を得ること努力不要の偶然の利益
漁夫の利第三者が争いの隙に利益を得ること他人の争いを利用した利益

「朝駆けの駄賃」は「行きがけの駄賃」から派生した表現で、朝の新鮮な状態で物事を効率的に進めることを意味します。これらはすべて「利益を得る」という点では共通していますが、その方法や状況によって使い分ける必要があります。

現代社会における応用例

「行きがけの駄賃」の概念は、現代のビジネスや日常生活においても広く応用されています。特にマルチタスクが重視される現代社会では、この考え方がますます重要になっています。

  • 通勤途中での語学学習やオーディオブック視聴
  • 業務出張時の顧客訪問や市場調査の追加実施
  • 買い物アプリのポイント還元やキャッシュバックサービス
  • オンライン会議の待ち時間を活用した資料整理

時間管理の達人は、すべての移動時間を「行きがけの駄賃」として活用する術を知っている

— ライフハック専門家

デジタル時代においては、物理的な移動だけでなく、時間の隙間を活用するという新しい形でこの概念が進化しています。

よくある質問(FAQ)

「行きがけの駄賃」は悪い意味で使われることが多いですか?

必ずしも悪い意味だけではありません。確かに泥棒や盗人に関連して使われる場合はネガティブな意味合いになりますが、日常的には「ついでに得られる利益」というニュートラルな意味で使われます。買い物のついでに郵便局に寄るなど、普通の生活シーンでもよく使われる表現です。

「ゆきがけ」と「いきがけ」、どちらの読み方が正しいですか?

どちらの読み方も正しいです。多くの国語辞典には両方の読み方が記載されていますが、辞書によっては「ゆきがけのだちん」のみを採用している場合もあります。地域や年代によって読み方の好みが分かれることもありますが、意味に違いはありません。

「帰りがけの駄賃」という表現も使えますか?

「帰りがけの駄賃」は造語であり、正式な慣用句ではありません。本来は往路でも復路でも、ついでに利益を得る行為を「行きがけの駄賃」と表現します。ただし、日常会話では比喩的に「帰りがけの駄賃」を使う人もいますが、正確な表現とは言えません。

ビジネスシーンで使っても失礼になりませんか?

文脈によっては注意が必要です。取引先への訪問ついでに別の用事を済ませるなど、効率的な行動を褒める意味で使う分には問題ありません。しかし、「ついでに」というニュアンスが軽く聞こえる可能性があるため、目上の人に対してはより丁寧な表現を選んだ方が無難です。

英語に訳すとどのような表現になりますか?

英語では「Killing two birds with one stone(一つの石で二羽の鳥を殺す)」が近い表現です。また、「while you're at it(ついでに)」や「as a bonus(ボーナスとして)」といった表現も状況に応じて使えます。ただし、日本語の「行きがけの駄賃」が持つ歴史的な背景やニュアンスを完全に再現するのは難しいです。