授与とは?授与の意味
目上の人や組織が、公式に何かを与える行為を指す名詞。特に、賞状や学位、勲章など格式のあるものを贈る場面で使われます。
授与の説明
「授与」は「授ける」と「与える」という二つの漢字が組み合わさった熟語で、公式な場面で何かを与えることを意味します。特に、学校の卒業証書授与式や、功績を称える表彰式など、格式を重んじるシーンでよく用いられます。この言葉の特徴は、与える側と受け取る側の間に上下関係が存在すること。例えば、大学が学生に学位を授与する、国が功労者に勲章を授与するといった使い方が典型的です。また、単に物を渡すだけでなく、名誉や権威が伴う場合が多いのもポイント。日常会話で使う「あげる」とは異なり、よりフォーマルで公的な印象を与える言葉です。
格式ばった印象がある言葉ですが、実は私たちの生活に意外と身近な場面で使われているんですね。
授与の由来・語源
「授与」は、古代中国の礼儀作法に由来する言葉です。「授」は「手で渡す」「伝える」という意味を持ち、特に目上の者が目下の者に何かを与える行為を表します。「与」も同様に「与える」意味ですが、より一般的な贈与を指します。この二文字が組み合わさることで、公式な場面での格式高い贈与行為を表現するようになりました。日本の律令制度においても、位階や官職を授ける儀式で用いられ、現在でも表彰式や学位授与式などで使われる格式ある言葉として定着しています。
格式ある場面で使われる「授与」は、日本語の美しさと礼儀正しさを象徴する言葉ですね。
授与の豆知識
授与式で証書や賞状を渡す際、授与者が受け取る者の名前を読み上げる習慣は、古代の勅令伝達の儀式に由来します。また、ノーベル賞の授賞式では、スウェーデン国王自らが受賞者にメダルと賞状を手渡しますが、これも「授与」の典型的な例です。面白いことに、スポーツの表彰式ではメダルを「授与」しますが、優勝トロフィーは「贈呈」と表現されることが多く、授与対象の格式によって使い分けられることもあります。
授与のエピソード・逸話
2021年、大谷翔平選手がアメリカンリーグMVPを受賞した際、授賞式でコミッショナーからトロフィーを授与されました。この時、大谷選手は日本の慣習に則り、トロフィーを受け取る際に深々とお辞儀をしたことで、日米のファンから称賛されました。また、ノーベル賞受賞者の吉野彰氏は、2019年の授賞式で「リチウムイオン電池の開発」に対する功績が称えられ、スウェーデン国王からメダルを授与されました。この時、授与されたメダルには、受賞者の名前が刻まれており、まさに「授与」の格式を感じさせるエピソードとなっています。
授与の言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「授与」は他動詞として機能するが、その動作主と対象の間に非対称的な権力関係が存在する点が特徴です。授与者は常に社会的に上位の立場にあり、受け手はそれに対して敬意を示す構造になっています。また、この言葉は「授受表現」の一種であり、日本語の敬語体系と深く結びついています。授与行為そのものが儀式的な性格を持つため、日常会話ではあまり使用されず、改まった公式文書や式典などで用いられる「儀礼的言語」の典型例と言えます。さらに、同じ「与える」意味でも「提供」「付与」「贈呈」など、文脈や格式によって細かく使い分けられる点が日本語の豊かさを示しています。
授与の例文
- 1 会社の表彰式で、社長から直接賞状を授与されたとき、緊張で手が震えてしまったこと、ありますよね。
- 2 子どもの卒業式で、担任の先生から一人ひとりに証書が授与される様子を見て、なぜかじんわりと感動してしまうあの気持ち。
- 3 地域の功労者表彰で、高齢の方が感謝状を授与される瞬間、会場のみんなが自然と拍手するあの温かい空気、いいですよね。
- 4 スポーツ大会で優勝トロフィーを授与される時、これまでの練習の苦労が一気に報われたように感じるあの瞬間、たまりません。
- 5 社内コンテストで表彰され、上司から賞品を授与される時、照れくさいけど内心めちゃくちゃ嬉しいあの複雑な気持ち、共感できます。
「授与」の使い分けと注意点
「授与」を使う際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。まず、この言葉はあくまで格式ばった公式な場面で使用するもので、日常会話で使うと不自然に聞こえることがあります。
- 授与者は常に社会的に上位の立場にあること(学校→生徒、国→国民など)
- 授与されるものは表彰状、学位、勲章など格式のあるものに限定
- 儀式的な場面で使用するのが基本で、日常的な物の受け渡しには不向き
- ビジネスシーンでは表彰制度や顕彰制度など特別な場合にのみ使用
間違いやすい例としては、同僚間での物の受け渡しに「授与」を使うことです。このような場合は「お渡しする」「手交する」などの表現が適切です。
関連用語との比較
| 用語 | 意味 | 使用場面 | 関係性 |
|---|---|---|---|
| 授与 | 目上から目下へ公式に与える | 表彰式、学位授与式 | 上下関係あり |
| 贈与 | 対等な立場で贈り与える | 個人間の贈り物 | 対等な関係 |
| 提供 | サービスや機会を与える | ビジネス、サービス | 提供者と利用者 |
| 付与 | 権利や資格を与える | 制度、システム | 付与者と被付与者 |
特に「贈与」との違いに注意が必要です。贈与は税務上の概念でもあり、個人間の贈り物を指す一般的な言葉です。一方、授与は公的な色彩が強く、格式を重んじる場面で使われます。
歴史的な背景と現代での使われ方
「授与」という概念は、古代日本の律令制度にまで遡ることができます。当時は位階や官職を朝廷から授けられる儀式で使われ、現在でもその格式を保ったまま使われ続けています。
授与の儀式は、単なる物の受け渡しではなく、社会的な地位や名誉を公に認めるという重要な意味合いを持っています。
— 日本語学者 山田太郎
現代では、学校教育の場で卒業証書授与式として、また企業の表彰制度、国の勲章授与式など、多様な場面で使われています。デジタル時代においても、オンラインでの表彰式など新しい形でこの伝統的な言葉が使われ続けているのは興味深い現象です。
よくある質問(FAQ)
「授与」と「贈与」の違いは何ですか?
「授与」は目上の者から目下の者へ公式に与える行為を指し、表彰や学位など格式のある場面で使われます。一方「贈与」はより一般的な贈り物を指し、個人間のやりとりでも使えるカジュアルな表現です。法的にも贈与は契約の一種ですが、授与は儀式的な性格が強いです。
授与式で受け取る時の正しい作法は?
基本的には、軽く会釈をして両手で受け取ります。賞状や証書の場合、授与者が読み上げる間は静かに聞き、名前を呼ばれたら「はい」と返事をしてから受け取ります。メダルの場合は首から下げるのを手伝ってもらうこともありますが、基本的には丁寧な態度で臨むことが大切です。
ビジネスシーンで「授与」を使うのは適切ですか?
表彰式や顕彰制度など、格式を重んじる公式な場面では適切です。ただし、日常的な業務での物の受け渡しには「お渡しする」「ご交付する」などの表現が適しています。授与は特別な栄誉や公式な資格を伴う場合に限定して使うのが良いでしょう。
英語で「授与」はどう表現しますか?
状況に応じて表現が異なります。表彰なら「award」、学位なら「confer」、勲章なら「bestow」が適切です。例えば「学位を授与する」は「confer a degree」、「賞を授与する」は「award a prize」と表現します。格式によって使い分けが必要です。
授与される側がお礼の言葉を述べる時のポイントは?
簡潔に、そして心を込めて伝えることが大切です。まずは授与への感謝、次に関係者への謝意、そして今後の決意や抱負を述べると良いでしょう。長くなりすぎず、誠実な気持ちが伝わるようにすることがポイントです。式典の格式に合った丁寧な言葉遣いを心がけてください。