「挙って(こぞって)」とは?意味や使い方を分かりやすく解説

「挙って」という漢字、見たことはありますか?「こぞって」と読むこの言葉、実は日常生活でもよく耳にするのに、いざ書こうとすると戸惑ってしまう人が多いんです。クリスマスシーズンになると聞こえてくるあの有名な賛美歌の一節にも使われている、意外と身近な表現なんですよ。

挙って(こぞって)とは?挙って(こぞって)の意味

ひとり残らず、みんなで一緒に行動する様子

挙って(こぞって)の説明

「挙って」は、特定の集団や団体に属するすべてのメンバーが一丸となって同じ行動をとることを表す副詞です。単に「みんなで」というよりも、結束力や一体感が強調された表現で、組織やグループの団結力をアピールする際に効果的です。例えば「商店街挙ってのイベント」と言えば、単なる商店街のイベントではなく、すべての店舗が協力して開催する大掛かりな催しというニュアンスになります。この言葉の由来は「こぞりて(挙りて)」という古語が変化したもので、「挙」という漢字には「すべてをあげて」という意味合いが含まれています。

読めそうで読めない漢字の代表格ですが、知っておくと表現の幅が広がりますね!

挙って(こぞって)の由来・語源

「挙って」の語源は古語の「こぞりて」に遡ります。「こぞる」は「揃う」「集まる」という意味を持つ動詞で、これが変化して「こぞって」という副詞形が生まれました。漢字の「挙」は「すべてをあげる」「まとめて持ち上げる」という意味を持ち、集団全体が一斉に行動する様子を表すのに適しています。平安時代の文献にも類似の表現が見られ、古くから日本の集団意識を反映した言葉として使われてきました。

知っていると日本語の深みが感じられる、素敵な表現ですね!

挙って(こぞって)の豆知識

面白いことに、「挙って」は常用漢字表に掲載されていない読み方のため、公的な文書ではひらがなで「こぞって」と表記されることがほとんどです。また、クリスマスシーズンに歌われる賛美歌『もろびとこぞりて』は、実は「挙りて」が原形で、これが現代の「挙って」につながっています。さらに、地域によっては「こぞって」の発音が「こぞて」と訛ることもあり、方言研究の対象にもなっているんですよ。

挙って(こぞって)のエピソード・逸話

人気俳優の堺雅人さんは、あるインタビューで共演者について「現場のスタッフ挙って彼の演技力を絶賛していました」と語ったことがあります。また、サッカー選手の本田圭佑さんはチームについて「メンバー挙って優勝を信じて戦いました」と発言し、チームの団結力を強調。さらに、アイドルグループ・嵐の大野智さんはコンサートについて「ファンの皆さん挙って盛り上がってくれて感謝しています」とコメントするなど、有名人もよく使う表現なんです。

挙って(こぞって)の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「挙って」は「総出で」「一同で」などと同じく、集団を強調する「総称表現」の一種です。統語論的には副詞として機能し、主に動詞を修飾して動作主体の包括性を表します。意味論的には「部分ではなく全体」を指示する「全称量化」の性質を持ち、 pragmatics(語用論)的には話し手の「集団の一体感」や「結束力」への評価を含意します。歴史的には、日本語の集団主義的文化を反映した表現として発達してきたと言えるでしょう。

挙って(こぞって)の例文

  • 1 会社の飲み会で上司が奢ってくれると言った瞬間、社員挙って最高の笑顔になったあの瞬間、みんな経験ありますよね。
  • 2 学校のテスト期間が終わった翌日、クラスメイト挙って「今日は何もする気にならない」と口を揃えて言うあるある。
  • 3 チームのムードメーカーが休んだ日、メンバー挙ってなぜか静かでやる気のない空気になる現象、職場でもよくあります。
  • 4 ランチタイムに誰かがおいしいスイーツを買ってきたら、オフィス挙って「一口ちょうだい」攻撃が始まるあるある光景。
  • 5 プロジェクトの締切前日、部署挙って深夜まで残業することになり、みんなでため息をつきながらも笑い合ったあの経験。

「挙って」の使い分けと注意点

「挙って」を使う際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、この表現は「全員が一致団結して」というポジティブなニュアンスを含むため、否定的な文脈では不自然に感じられることがあります。また、対象となる集団を明確に指定することが大切で、主語を省略すると意味が曖昧になってしまいます。

  • 肯定的な文脈で使用する(例:社員挙ってプロジェクトに取り組む)
  • 対象集団を明確に示す(例:クラス挙って、部署挙って)
  • フォーマルな場面では「一同で」「全員で」などの表現を使う
  • 物理的な集合を表す場合は「総出で」を使い分ける

特にビジネスシーンでは、取引先へのメールなど格式を重んじる場面では、より丁寧な表現を選ぶことが望ましいでしょう。

関連用語と表現のバリエーション

「挙って」には多くの関連表現があり、文脈に応じて使い分けることで表現の幅が広がります。以下に主な類語とそのニュアンスの違いをまとめました。

表現意味使用場面
一同で格式ばった集団行動式典、公式の場
総がかりで全力を挙げてプロジェクト、大作戦
もろともに古風な表現文学、歌謡曲
こぞりて文語的な表現古典、賛美歌
総出で物理的に全員集合イベント、集会

諸人こぞりて迎えまつれ、今ぞましませる生ける神を

— 賛美歌『もろびとこぞりて』

歴史的背景と文化的意義

「挙って」という表現は、日本の集団主義的文化を反映していると言えます。古くから村落共同体や職人集団など、集団での協調行動を重視する社会背景の中で発達してきました。

江戸時代の町人文化では、「町内挙って」祭りを盛り上げるといった使われ方がされ、現代でも地域の催し事などでよく耳にします。この言葉には、単なる「全員で」という意味以上に、集団の和や一体感を重視する日本的価値観が込められているのです。

よくある質問(FAQ)

「挙って」と「こぞって」、どちらの表記が正しいですか?

どちらも正しいですが、常用漢字表に「こぞって」の読みがないため、公的な文書ではひらがな表記が推奨されます。日常的には「こぞって」と書くことが多いです。

「挙って」と「総出で」の違いは何ですか?

「挙って」は集団全体が同じ行動をとる様子を強調し、「総出で」は物理的に全員が集まったり出向いたりする状況を表します。ニュアンスが少し異なります。

ビジネスメールで「挙って」を使っても大丈夫ですか?

フォーマルな場面では「一同」「全員で」などの表現が適しています。社内のカジュアルな連絡なら問題ありませんが、取引先へのメールでは避けた方が無難です。

「挙って」を使うときの注意点はありますか?

具体的にどの集団が対象なのかを明確にすることが大切です。「社員挙って」「クラス挙って」など、主語をはっきりさせると伝わりやすくなります。

「挙って」の類語にはどんな言葉がありますか?

「一同で」「総がかりで」「こぞって」「こぞりて」「もろともに」などが類語として挙げられます。文脈に応じて使い分けると良いでしょう。