どやされるとは?どやされるの意味
他者から厳しく叱責されること、または怒鳴られることを意味します。また、隠語として飲み代を高く請求されることや、飲み仲間に散財させられる状況も指すことがあります。
どやされるの説明
「どやされる」は、動詞「どやす」の未然形に受身の助動詞「れる」が組み合わさった表現です。関西を中心に使われる言葉で、単なる叱責ではなく「しっかりしろ!」という激励のニュアンスを含むのが特徴です。語源の「どやす」には「殴る」「たたく」といった物理的な意味も含まれるため、言葉の持つ厳しさが感じられます。日常会話では「課長にどやされるで」のように、少しユーモアを交えて使われることも多く、関西弁の温かみを感じさせる表現として親しまれています。
関西の人情がにじみ出るような、叱咤激励のこもった素敵な表現ですね!
どやされるの由来・語源
「どやされる」の語源は、動詞「どやす」に受身の助動詞「れる」が結合したものです。「どやす」自体は奈良を中心とした近畿地方の方言として古くから使われており、「叩く」「殴る」といった物理的な動作から転じて「強く叱る」「怒鳴りつける」という意味に発展しました。江戸時代後期にはすでに文献に登場しており、特に職人社会や芸能界で使われることが多かったようです。語源には諸説ありますが、怒った時に出す「どやっ」という掛け声から来ているという説が有力です。
関西の人情がにじみ出る、温かみのある叱責表現ですね!
どやされるの豆知識
面白いことに「どやされる」には、隠語として全く別の意味もあります。歌舞伎役者や落語家の世界では、楽屋で飲み代を不当に高く請求されることや、先輩に奢らされて散財することを「どやされた」と表現します。また、関西の漫才コンビ・中田カウス・ボタンは、若手時代に先輩芸人から「今日はお前が払え」と言われることを「カウスボタンどやし」と呼んでいたという逸話も。言葉一つでこんなに多彩な意味を持つのは、関西弁の豊かさを感じさせますね。
どやされるのエピソード・逸話
明石家さんまさんは若手時代、師匠の笑福亭松鶴さんに厳しく指導されたエピソードを語っています。「ほんまにえらいどやされましたわ。でも、あの時の叱咤がなかったら、今の俺はないです」。また、吉本新喜劇の曽我町子さんは、舞台でミスをした若手役者に「そんなんじゃあかん!もっと熱入れ!」とどやしながらも、その後でこっそり励ましていたというエピソードが伝わっています。こうした背景から、関西の芸能界では「どやされる」ことが一種の通過儀礼となっているようです。
どやされるの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「どやされる」は受動態の形成において興味深い特徴を持っています。標準語では「叱られる」のように一段活用動詞に「られる」を付加しますが、関西方言では「どやす」のような五段活用動詞に直接「れる」を結合させます。これは方言における助動詞「れる」の適用範囲の広さを示しています。また、この表現は「叱責」という行為を、物理的な衝撃に近いイメージで表現しており、メタファーとしての言語機能が働いている好例です。関西方言の特徴である「行為の直接性」と「情感の表現力」が融合した、非常に表現豊かな言葉と言えるでしょう。
どやされるの例文
- 1 締切間際までダラダラしてたら、上司に「いつまで遊んでんの!?」ってえらいどやされた…
- 2 飲み会でつい調子に乗って余計なこと言ったら、先輩に「お前、それまずいやろ」とこっそりどやされた
- 3 親に内緒でバイク買ったのがバレて、三日三晩どやされたわ。でも心配してくれてたんやなって今なら分かる
- 4 テストで赤点取ったら、先生に「これやったらあかんやろ!」ってどやされたけど、その後めっちゃ優しく教えてくれた
- 5 彼女に浮気がバレて、彼女の親友たちから集団でどやされた…まじで反省した
「どやされる」の使い分けと注意点
「どやされる」は関西弁ならではのニュアンスを持つ言葉ですが、使い方にはいくつかの注意点があります。特にビジネスシーンや初対面の人との会話では、状況をよく見極めて使うことが大切です。
- 親しい間柄での会話(友人、家族、同僚など)
- 関西出身者や関西文化に理解のある人との会話
- ユーモアを交えた軽い叱責を表現したいとき
- 後輩や部下への愛情のある指導を表現する場合
- 公式なビジネス文書やメール
- 目上の人への直接的な表現
- 関西文化に慣れていない人との会話
- 深刻なミスや重大な問題について話すとき
関連用語と表現
「どやされる」には関連する表現が多数あり、関西弁の豊かな表現力を感じさせます。これらの表現を知ることで、より深く理解することができます。
| 用語 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| どやす | 叱る、怒鳴る | 「あんまり悪さしたらどやすで」 |
| どやしつける | 厳しく叱り付ける | 「先生にどやしつけられた」 |
| こごどやし | 細かく厳しく叱る | 「先輩にこごどやしされた」 |
| どやされ役 | よく叱られる人 | 「彼は課長のどやされ役や」 |
関西の職人世界では、「どやされる」ことは一人前になるための通過儀礼や。叱ってくれるのは期待されている証拠やで
— 桂三枝(現・六代桂文枝)
現代における「どやされる」の変化
時代の変化とともに、「どやされる」の使われ方も少しずつ変化しています。特に若い世代では、伝統的な意味合いとは異なる使われ方が広がっています。
- SNSやネットスラングとしての使用増加
- 関西以外での認知度向上
- より軽いニュアンスでの使用が一般化
- 逆に「愛情のある叱責」としての意味合いの強調
最近では、YouTuberやTikTokerが関西弁の面白さを発信する中で、「どやされる」という表現が若い世代にも親しまれるようになってきました。ただし、本来の意味やニュアンスが薄れている側面もあるため、傳統的な使い方とのバランスが課題となっています。
よくある質問(FAQ)
「どやされる」と普通に「叱られる」の違いは何ですか?
「どやされる」は関西弁ならではのニュアンスがあり、単なる叱責ではなく「もっとしっかりしろ!」という激励や愛情が込められていることが多いです。また、物理的に叩かれるような強いイメージを含む場合もあります。標準語の「叱られる」より情感が豊かで、時にユーモアを交えて使われるのが特徴です。
「どやされる」は関西以外でも通じますか?
関西以外でもある程度は通じますが、完全に理解されるとは限りません。特に年配の方や関西文化に親しみのある人なら分かることが多いです。最近ではテレビやSNSの影響で全国的に認知度が上がっていますが、ビジネスシーンなどでは標準語の「叱られる」を使う方が無難でしょう。
「どやされる」の程度や強さはどのくらいですか?
軽い注意から本気の叱責まで、文脈によって強さが変わります。例えば「ちょっとどやされた」なら軽い注意程度ですが、「めっちゃどやされた」となるとかなり厳しく叱られたことを意味します。関西では「えらいどやされた」という表現がよく使われ、これは「とても厳しく叱られた」という意味になります。
職場で上司に「どやされる」のは良いことですか?悪いことですか?
関西の企業文化では、「どやされる」ことはむしろ期待されている証と捉えられる場合があります。上司があなたの成長を願って厳しく指導してくれているという前向きな意味合いが強いです。もちろん内容や程度によりますが、基本的には「見込まれているからこその叱責」というニュアンスがあります。
「どやされる」と「怒られる」はどう違いますか?
「怒られる」が単に感情的に怒られたことを表すのに対し、「どやされる」はより教育的・指導的なニュアンスが強いです。関西では「あの先生はよくどやしてくれるけど、めっちゃ良い先生やで」というように、叱ってくれる人への信頼や感謝の気持ちが込められて使われることも多いです。