異にするとは?異にするの意味
「別であること」「違いがあること」、また「他よりも際立って優れていること」を表す表現
異にするの説明
「異にする」は「ことにする」と読み、主に二つの意味を持っています。一つ目は「別々である」「明確な違いがある」という意味で、例えば「意見を異にする」のように使われます。二つ目は「非凡で際立っている」という褒め言葉としての使い方で、「才を異にする」といった表現で用いられます。漢字「異」には「分ける」「普通ではない」という意味があり、これらのニュアンスが組み合わさって成り立っている言葉です。日常会話ではあまり使われませんが、文学作品や格式ある場面で重宝される表現で、日本語の豊かさを感じさせてくれます。
こういう言葉を知っていると、日本語の表現の幅が広がりますね!
異にするの由来・語源
「異にする」の語源は古語の「異(こと)」に由来します。「異」は「別のもの」「違う」という意味を持ち、これに「する」が結びついて「別々にする」「区別する」という表現が生まれました。平安時代の文献から既に使用例が見られ、当時から「違いを明確にする」という意味で用いられていました。特に和歌や物語の中で、心情や状況の差異を表現する際に好んで使われた古典的な表現です。
古くから使われてきた由緒ある表現だからこそ、現代でも重みを感じますね!
異にするの豆知識
面白いことに「異にする」は現代では主に文章語として残っていますが、実は江戸時代までは日常会話でも比較的使われていました。明治時代以降、西洋語の翻訳語として「区別する」「差異がある」といった表現が普及するにつれ、次第に格式ばった表現としての位置づけが強まったのです。また、「才を異にする」のように褒め言葉として使う場合、対象が人間に限られるのも特徴で、物事に対しては使わないという暗黙のルールがあります。
異にするのエピソード・逸話
小説家の夏目漱石は『こゝろ』の中で「先生と私は主義を異にしている」という表現を使用しています。これは登場人物の思想的相違を端的に表した名文例として知られています。また、物理学者のアインシュタインが来日した際、日本の学者たちと「見解を異にする」点について議論したという記録が残っており、国際的な学術交流の場でもこの表現が使われたことがわかります。
異にするの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「異にする」は「名詞+する」というサ変動詞の一種ですが、特徴的なのはその構成要素です。「異」が漢語由来であるのに対し、「する」は和語であるため、和漢混交語として分類されます。また、この表現は他動詞として機能し、常に対象を必要とする点が特徴です。現代日本語では同義の「違う」が自動詞として使われるのに対し、「異にする」は能動的な区別や差異化の意思が含まれる点でニュアンスが異なります。
異にするの例文
- 1 親友なのに、趣味や好みをことごとく異にしているのが不思議で仕方ない
- 2 夫婦なのに金銭感覚を異にしていて、家計の話になるといつも意見が合わない
- 3 同期入社なのにキャリア観を異にする同僚と、将来の話になると少し距離を感じてしまう
- 4 同じ作品を見ても、感想を異にする友達と議論するのが実は一番楽しい時間だったりする
- 5 親子なのに価値観を異にしていて、進路の話になるたびにすれ違ってしまうあるある
「異にする」の使い分けと注意点
「異にする」を使う際の最大の注意点は、文脈によって意味が大きく変わることです。特に「際立っている」という褒め意味で使う場合と、「違う」という中立の意味で使う場合では、受け手の印象が全く異なります。
- 褒め言葉として使う時は「才を異にする」など、明確に褒め意図が伝わる表現にする
- 意見の相違を述べる時は「見解を異にする」など、客観的な表現を心がける
- 否定や批判の意図を含ませないよう、文脈を明確にすることが重要
また、口頭での使用は避け、文章で使うのが無難です。話し言葉では「違う」や「別の」といった表現の方が自然に伝わります。
関連用語と類義語の違い
| 用語 | 意味 | 「異にする」との違い |
|---|---|---|
| 違う | 一致しない、同じでない | 日常的で汎用的な表現 |
| 区別する | 違いを見分けて分ける | 能動的に分ける行為に重点 |
| 特異な | 他と特に異なっている | 形容詞で、性質を表す |
| 異なる | 違っている(自動詞) | 「異にする」より客観的 |
「異にする」はこれらの類義語の中でも、特に「意識的に違いを認める」「差異を明確にする」というニュアンスが強いのが特徴です。
文学作品での使用例
「彼らは運命を異にする二人であったが、不思議な縁で結ばれていた」
— 志賀直哉『暗夜行路』
近代文学では、人物の運命や性格の違いを表現する際に「異にする」がよく用いられました。志賀直哉をはじめ、多くの文豪がこの表現で人間の複雑な関係性を描いています。
特に大正から昭和初期の文学作品では、「異にする」が情感豊かな表現として重用され、日本語の美しさを際立たせる役割を果たしていました。
よくある質問(FAQ)
「異にする」の読み方が「ことにする」なのはなぜですか?
「異」という漢字には「こと」という訓読みと「イ」という音読みがあります。「異にする」の場合、漢字の意味をそのまま和語で読む訓読みが採用されて「ことにする」となったのです。歴史的に見ると、この読み方は平安時代から使われている伝統的な表現です。
「異にする」と「違う」はどう使い分ければいいですか?
「違う」は日常会話で広く使われる一般的な表現ですが、「異にする」はより格式ばった場面や文章語として用いられます。特に、意見や価値観など抽象的な概念の違いを強調したい時、「異にする」を使うと奥行きのある表現になります。
「異にする」を使った褒め言葉にはどんなものがありますか?
「才を異にする」という表現が代表的で、並外れた才能を持つ人を賞賛する際に使われます。他にも「類い稀な能力を異にする」など、その人が他とは明らかに違う優れた点を称える時に用いられます。
ビジネスシーンで「異にする」を使うのは適切ですか?
はい、特に公式文書や改まった場面では適切です。例えば「当社の経営理念を異にする」や「見解を異にする」といった表現は、違いを明確にしつつも丁寧な印象を与えることができます。
「異にする」の反対語は何ですか?
直接的な反対語としては「同じくする」「一致する」などが挙げられます。また、「共通する」「符合する」といった表現も、違いを強調する「異にする」とは対照的な意味合いを持っています。