「甲乙つけがたい」とは?意味や使い方・類語を徹底解説

「どちらを選べばいいのか迷ってしまう…」そんな経験、ありませんか?二つの選択肢がどちらも素晴らしく、優劣をつけるのが難しい場面で使われる「甲乙つけがたい」という表現。この言葉の奥深い意味や使い方を、具体例を交えて詳しく解説していきます。

甲乙つけがたいとは?甲乙つけがたいの意味

二つのものの間で優劣をつけることが難しい様子を表す慣用句

甲乙つけがたいの説明

「甲乙つけがたい」は、中国の十干(じっかん)に由来する表現で、「甲」が第一位、「乙」が第二位を意味することから、順位付けが困難な状況を指します。例えば、スポーツの試合で両チームが互角の力を発揮しているときや、審査会で複数の作品が同じくらい優れている場合などに用いられます。この表現は単に「どちらが良いかわからない」というだけでなく、どちらも高いレベルにあるという肯定的なニュアンスを含んでいるのが特徴です。日常会話では「どっちも甲乙つけがたくて迷っちゃうね」といった使い方がされます。

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甲乙つけがたいの由来・語源

「甲乙つけがたい」の語源は、中国古代の十干(じっかん)と呼ばれる数詞体系に遡ります。十干は「甲・乙・丙・丁…」と続く順序を表す言葉で、特に「甲」は第一位、「乙」は第二位を意味していました。日本では江戸時代から明治時代にかけて、学校の成績評価や競技の順位付けに「甲乙」が用いられ、これが転じて「優劣をつけることが難しい」という意味の慣用句として定着しました。もともとは序列を明確にするための表現でしたが、現代ではその逆の意味で使われるようになった興味深い言葉です。

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甲乙つけがたいの豆知識

面白い豆知識として、焼酎の世界では「甲乙混和焼酎」という分類があります。これは連続式蒸留機で作られるすっきりとした甲類焼酎と、単式蒸留機で原料の風味を活かした乙類焼酎をブレンドしたもので、まさに「甲乙つけがたい」美味しさを追求した製品と言えます。また、選挙報道などでは接戦を「甲乙つけがたい選挙戦」と表現することも多く、様々な分野で使われる汎用性の高い表現です。

甲乙つけがたいのエピソード・逸話

2018年平昌オリンピックのフィギュアスケート男子シングルで、羽生結弦選手と宇野昌磨選手の活躍はまさに「甲乙つけがたい」ものでした。金メダルを獲得した羽生選手と銀メダルの宇野選手の演技は、審査員も評価に苦労するほど高い完成度で、多くのファンが「どちらが優れているか決められない」と語りました。また、小説家の村上春樹さんはインタビューで「作品を書く際、複数の結末案が甲乙つけがたくて悩むことがある」と語っており、創作の現場でもこの表現が使われることがあります。

甲乙つけがたいの言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「甲乙つけがたい」は比較表現における「等位比較」の一種です。通常の比較表現が「AはBより優れている」という非対称性を示すのに対し、この表現は両者の価値が対等であることを強調します。また、否定形式「つけがたい」を用いることで、判断の困難さを表現する日本語独特の婉曲的表現となっています。歴史的には、十干という中国由来の概念が日本文化に取り入れられ、独自の発展を遂げた好例で、漢語と和語の融合によって生まれた複合的な表現構造を持っています。

甲乙つけがたいの例文

  • 1 ランチメニューのパスタとピザ、どちらも魅力的で甲乙つけがたくて、結局毎日悩んでしまうんですよね。
  • 2 オンラインストレージのDropboxとGoogle Drive、機能も容量も甲乙つけがたくて、結局両方使ってるのが私の現実です。
  • 3 新発売のスマホケース、デザインも機能性も甲乙つけがたくて、夫婦で意見が分かれてしまいました。
  • 4 志望校のA大学とB大学、偏差値も立地も甲乙つけがたく、進路決定までずっと悩み続ける日々です。
  • 5 NetflixとAmazon Prime Video、どちらのオリジナル作品も甲乙つけがたいクオリティで、サブスクを両方契約してしまうのはあるあるですよね。

「甲乙つけがたい」の使い分けと注意点

「甲乙つけがたい」を使う際の重要なポイントは、比較対象が「どちらも高水準である」という前提があることです。単に「どちらも劣っている」場合や「選ぶのが面倒」という場合には適しません。

  • 比較対象は2つが基本(3つ以上の場合は「いずれも優劣つけがたい」など表現を変える)
  • ビジネスでは「甲乙つけがたい提案で選定に悩みます」など謙遜の意を込めて使用可能
  • 否定形で使う場合は「甲乙つけがたいほどではない」という表現になる
  • カジュアルな会話では「どっちも甲乙つけがたくて迷う」など略して使われることも

関連用語と表現のバリエーション

表現意味使用場面
実力伯仲実力が互角で優劣がつかないスポーツや競技の試合
五分五分勝敗や成否の可能性が半々勝負事や結果の予測
拮抗する力や勢力がほぼ同等で競り合う経済や政治の勢力関係
軒並みどれも同じくらいの水準である商品や作品の品質評価

これらの表現は似ているようで、微妙なニュアンスの違いがあります。状況に応じて適切な表現を選ぶことで、より正確なニュアンスを伝えることができます。

歴史的背景と文化的影響

「甲乙」という表現は、中国の十干(じっかん)に由来します。十干は古代中国で時間や方位、順序を表すために使われた記号体系で、日本には6世紀頃に伝来しました。

「甲」はきのえ(木の兄)、「乙」はきのと(木の弟)を意味し、陰陽五行思想に基づく序列を表していました

— 日本漢字能力検定協会

江戸時代には学問の成績評価に「甲乙丙」の序列が用いられ、明治時代の学校制度でも引き継がれました。このような歴史的経緯から、順序付けの難しい状況を表現する慣用句として定着していったのです。

よくある質問(FAQ)

「甲乙つけがたい」はビジネスシーンでも使えますか?

はい、ビジネスシーンでも適切に使用できます。例えば、複数の提案書や企画案がどれも優れていて選択に困る場合や、採用面接で複数の候補者が同じくらい優秀なときなどに「甲乙つけがたい提案ばかりで選定に悩みます」といった使い方ができます。ただし、フォーマルな場面ではより丁寧な表現を選ぶことも考慮しましょう。

「甲乙つけがたい」と「優劣つけがたい」は同じ意味ですか?

基本的には同じ意味ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。「甲乙つけがたい」は順位やランク付けが難しい状況に、「優劣つけがたい」は質や価値の差がほとんどない状況に使われる傾向があります。また、「甲乙」はより格式ばった表現で、ビジネスや公式の場面で好まれることが多いです。

3つ以上のものを比較するときにも使えますか?

本来は二つのものを比較する表現ですが、現代では3つ以上の選択肢がある場合にも比喩的に使用されることがあります。ただし、正確を期すのであれば「三者三様で優劣つけがたい」など、比較対象の数に合わせた表現を使うのが適切です。複数ある場合は「どれも一長一短で」などの表現も併せて使うとより自然です。

ネガティブな意味で使うことはできますか?

通常はポジティブな意味合いで使われますが、文脈によってはネガティブなニュアンスを含むこともあります。例えば「どちらも問題点が多く、甲乙つけがたいほど改善が必要だ」といった使い方です。ただし、基本的には「どちらも素晴らしく選べない」という肯定的な意味合いが強い表現です。

英語で似た表現はありますか?

英語では「hard to tell which is better」(どちらが優れているか判断するのが難しい)や「six of one, half a dozen of the other」(どちらも大同小異)、「too close to call」(勝敗が予測できない)などの表現が近い意味を持ちます。ビジネスシーンでは「on par with each other」(互角である)という表現もよく使われます。