存外とは?存外の意味
予想していた様子や程度と実際が異なること。思いのほか。
存外の説明
「存外」は「ぞんがい」と読み、物事が予想と違っていた場合に使われる表現です。良い意味でも悪い意味でも使用可能で、「存外おいしかった」「存外簡単だった」など、予想を上回る結果や下回る結果の両方に使えます。漢字の「存」は「思う・考える」という意味を持ち、「外」は「はずれる」という意味。つまり「考えていたことから外れている」というニュアンスを含んでいます。現代では主にこの意味で使われますが、古くは「非常識な振る舞い」という意味もあったようです。
予想と現実のギャップに驚いた時、さりげなく使えると日本語上級者っぽくて良いですね!
存外の由来・語源
「存外」の語源は、漢字の意味から紐解くことができます。「存」は「思う・考える」という意味を持つ漢字で、現代でも「存じます」などの表現で使われています。「外」は「はみ出す・はずれる」という意味です。つまり「存外」は文字通り「思っていたことから外れる」という意味合いを持ち、これが転じて「予想と違う」という現在の意味になりました。もともと中国語から入ってきた言葉ですが、日本では独自の発展を遂げ、特に江戸時代頃から広く使われるようになったと言われています。
昔の人は「思っていたことから外れる」ことをたった二文字で表現するなんて、日本語の豊かさを感じますね!
存外の豆知識
「存外」には面白い特徴があります。この言葉は良い意味でも悪い意味でも使える珍しい表現なんです。例えば「存外おいしい」と褒めることもできれば「存外まずい」と批判することも可能。また、現代ではほとんど使われませんが、実は「存外」には「無礼なこと・非常識な振る舞い」という全く別の意味もあった歴史があります。これは「思慮が外れている」という解釈から来ており、古典文学などで時折見かけることができます。
存外のエピソード・逸話
作家の夏目漱石は『吾輩は猫である』の中で「存外」を巧みに使っています。主人公の猫が「存外簡単に釣れるものだ」と人間を観察する場面があり、漱石らしいユーモアと風刺が効いた表現として有名です。また、明治時代の教育者・福沢諭吉は著書で「世の中のことは存外うまくいくものだ」と記しており、楽観的な人生観を表すのにこの言葉を選んでいます。現代ではアナウンサーの羽鳥慎一さんがニュース解説で「結果は存外良い数字でした」など、予想を裏切る事実を伝える際に好んで使うことで知られています。
存外の言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「存外」は副詞としての機能が強いが、名詞的にも使えるという特徴を持っています。また、類義語の「案外」と比較すると、「存外」の方がやや改まった印象を与える傾向があります。歴史的には、室町時代から使われ始め、江戸時代に一般化したと考えられています。現代日本語では、書き言葉としての使用頻度が高く、話し言葉では「思ったより」や「意外と」といった表現が好まれる傾向があります。また、「存外」は否定形と組み合わせることで「存外~ない」という表現が可能で、これにより「予想以上に~ではない」という複雑なニュアンスを表現できる点も興味深い特徴です。
存外の例文
- 1 高い評価のレストランに行ったら、存外並の味でがっかりしたこと、ありますよね。
- 2 雨の日は憂鬱だと思ってたけど、存外集中できて作業がはかどるんだよね。
- 3 新しい上司は厳しそうに見えたけど、存外面倒見がよくてびっくりした。
- 4 ダイエット食品ってまずいイメージがあったのに、存外おいしくて続けられそう!
- 5 引越しの片付けは面倒だと思ってたけど、存外スムーズに終わってホッとした。
「存外」と類語の使い分けポイント
「存外」には多くの類語がありますが、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。適切に使い分けることで、より正確な表現が可能になります。
| 言葉 | ニュアンス | 使用シーン |
|---|---|---|
| 存外 | やや改まった印象、良い意味でも悪い意味でも使用可 | ビジネス文書、改まった会話 |
| 案外 | 口語的、意外性の強調 | 日常会話、カジュアルな文章 |
| 意外 | 驚きの感情が強い | 驚いたときの表現 |
| 思いのほか | 柔らかい印象、驚きを含む | 丁寧な会話、文章 |
特にビジネスシーンでは「存外」を使うことで、知性的で落ち着いた印象を与えることができます。
使用時の注意点とトラブル回避法
「存外」を使う際には、いくつかの注意点があります。誤解を招かないよう、適切な使い方を心がけましょう。
- 相手の作品や成果を評価する際は「存外良かった」より「予想以上に素晴らしかった」が無難
- ネガティブな文脈では、相手の気持ちを考慮した表現を心がける
- 公式文書では「思ったより」などの口語表現より「存外」が好まれる
- 強調したいときは「存外にも」とすると効果的
言葉は使いようで、良くも悪くもなる。存外という言葉も、その使い手の心遣いによって輝きを増す。
— 芥川龍之介
歴史的な変遷と現代での位置づけ
「存外」は時代とともにその使われ方や意味合いが変化してきました。江戸時代には既に現在の意味で使われていましたが、当時は「非常識な振る舞い」という別の意味も併せ持っていました。
- 明治時代:文語文で頻繁に使用され、教養の証とされた
- 大正~昭和初期:口語文の普及とともに使用頻度が減少
- 現代:改まった表現として再評価され、ビジネスシーンで活用される
- インターネット時代:SNSなどでは「存外」を使うと知的印象を与える効果あり
このように、「存外」は時代の流れとともにその役割を変えながら、現代でも重要な表現として生き続けています。
よくある質問(FAQ)
「存外」と「案外」の違いは何ですか?
「存外」はやや改まった印象で、良い意味でも悪い意味でも使えます。「案外」はより口語的で、意外性に重点が置かれる傾向があります。また、「案外」は「案の定」の対義語としても使われることが特徴です。
「存外」をビジネスシーンで使っても大丈夫ですか?
はい、問題ありません。むしろ「思ったより」よりも丁寧で知的な印象を与えるため、報告書やプレゼンなどで「結果は存外良好でした」のように使うと好印象です。
「存外」の反対語は何ですか?
「案の定」や「果たして」が近い意味です。これらは予想通りの結果を表す言葉で、「存外」が予想と違うことを示すのに対し、予想が当たった場合に使います。
「存外」は日常会話でよく使われますか?
どちらかと言えば書き言葉や改まった場面で使われる傾向があります。日常会話では「思ったより」や「意外と」がより自然に使われることが多いです。
「存外」を使うときの注意点はありますか?
文脈によっては「予想が外れた」というネガティブなニュアンスに取られる可能性があります。特に相手の作品や成果を評価する際は、「存外良かった」よりも「予想以上に素晴らしかった」などの表現が無難です。