かかずらうとは?かかずらうの意味
厄介なことに関わりを持つこと、またはつまらない些細なことにこだわり続けることを意味する。
かかずらうの説明
「かかずらう」は現代では主に二つの意味で使われています。一つは「面倒なことや厄介な事柄に関与すること」、もう一つは「取るに足らない小さなことに必要以上に執着すること」です。この言葉には否定的なニュアンスが含まれており、良いことに関して使われることはほとんどありません。例えば「友人トラブルにかかずらって疲れた」のように、どちらかといえば避けたい状況を表現する際に用いられます。また、「かかずらわる」という表現もあり、こちらも同じ意味を持っていますが、どちらを使っても問題ありません。
人間関係や仕事で「かかずらって」しまうこと、誰にでもありますよね。ほどよい距離感を保つことの大切さを教えてくれる言葉かもしれません。
かかずらうの由来・語源
「かかずらう」の語源は古語の「かかる」(関わる、係る)に由来します。平安時代から使われていた「かかる」が変化し、中世にかけて「かかずらふ」という形で定着しました。漢字では「係う」「拘う」と書きますが、これは後から当てられた漢字です。もともとは「何かに引っかかる」「絡みつく」という意味合いから発展し、現代の「厄介なことに関わる」「こだわる」という二つの意味を持つようになりました。
昔の言葉だからこそ、使えるとかっこいいかも!時代を超えた言葉の魅力を感じますね。
かかずらうの豆知識
面白いことに、「かかずらう」には「かかずらわる」というほぼ同じ意味の別形が存在します。これは日本語の動詞における「う」と「わる」の交替現象の一例で、同じようなパターンは「揺らう/揺らわる」などにも見られます。また、この言葉は現代ではあまり日常会話で使われませんが、文学作品や改まった文章では依然として使用されることがあり、教養のある印象を与える言葉として知られています。
かかずらうのエピソード・逸話
作家の夏目漱石は『こゝろ』の中で、人間関係の煩わしさについて「世間にかかずらって生きるのはつらい」という趣旨の表現を使用しています。また、哲学者の西田幾多郎も著書で「小事にかかずらうな」と、些末なことにこだわることの弊害について言及しています。現代では、ある著名な経営者が「ビジネスでは重要なことにかかずらい、些事にはかかずらうな」と語り、優先順位の大切さを説いたエピソードが残っています。
かかずらうの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「かかずらう」は日本語の動詞における自動詞と他動詞の境界が曖昧な例として興味深いです。この言葉は「〜にかかずらう」という形で他動詞的に使われる一方、文脈によっては自動詞的な性質も示します。また、否定形の「かかずらわない」よりも「かかずらうことはない」という表現が好まれる傾向があり、日本語の婉曲表現の特徴も見て取れます。歴史的には、室町時代から江戸時代にかけて使用頻度が高まり、現代ではやや古風な表現として位置付けられています。
かかずらうの例文
- 1 友達の愚痴についかかずらってしまい、気づけば深夜まで相談に乗っていた。
- 2 SNSの誹謗中傷にかかずらうのは時間の無駄だと分かっているのに、つい反論してしまう。
- 3 仕事で小さなミスにかかずらっているうちに、大事な締切に間に合わなくなりそうになった。
- 4 恋人との些細な言い争いにかかずらって、一日中気分が晴れなかった。
- 5 周りの目や評価にかかずらうあまり、自分らしさを忘れてしまいがちだ。
「かかずらう」の使い分けと注意点
「かかずらう」を使用する際には、そのネガティブなニュアンスを十分に理解しておくことが重要です。特にビジネスシーンやフォーマルな場面では、誤解を招く可能性があるため注意が必要です。
- 人間関係のトラブルや面倒な事柄に関わる場合に使用する
- 些細なことに対して必要以上にこだわる様子を表現する
- 第三者に対して使用する場合は、相手を批判していると受け取られる可能性がある
- 自分自身の行動について言及するのが無難
例えば「先方の内部事情にかかずらうのは避けよう」という表現は、相手の事情を「面倒なもの」と暗に表現しているため、失礼にあたる可能性があります。
関連用語と表現のバリエーション
| 用語 | 読み方 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| かかずらう | かかずらう | 厄介なことに関わる/こだわる | ネガティブ |
| かかずらわる | かかずらわる | かかずらうと同じ意味 | やや古風 |
| 関わる | かかわる | 関係を持つ | ニュートラル |
| 執着する | しゅうちゃくする | 強くこだわる | 強い意志 |
| 拘泥する | こうでいする | 必要以上にこだわる | 否定的 |
これらの言葉は似ているようで、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。文脈に応じて適切な表現を選ぶことが、より正確なコミュニケーションにつながります。
文学作品での使用例
世間にかかずらって生きるのは、実に煩わしいことである
— 夏目漱石『こゝろ』
近代文学では、「かかずらう」が人間関係の煩わしさや社会との関わりの困難さを表現する際にしばしば用いられてきました。特に自然主義文学や私小説では、主人公の内面の葛藤や社会との軋轢を表現する重要な言葉として機能しています。
現代では日常会話で使われる機会は減りましたが、文学作品や評論文章では依然としてその表現力の豊かさから重宝される言葉となっています。
よくある質問(FAQ)
「かかずらう」と「関わる」の違いは何ですか?
「かかずらう」は厄介なことや面倒な事柄に関わるというネガティブなニュアンスがありますが、「関わる」は単に何かと関係を持つという中立的な意味です。例えば「トラブルにかかずらう」は避けたい関わりを、「プロジェクトに関わる」は積極的な参加を表します。
「かかずらう」をビジネスシーンで使っても大丈夫ですか?
ビジネスシーンでは使用を控えた方が無難です。否定的な意味合いが強いため、例えば「先方とのトラブルにかかずらって」などと言うと、関係悪化を連想させる可能性があります。代わりに「対応に時間を要して」などと言い換えるのが適切です。
「かかずらう」の類語にはどんな言葉がありますか?
「巻き込まれる」「深入りする」「拘泥する」「執着する」などが類語として挙げられます。ただし、それぞれニュアンスが異なり、「巻き込まれる」は受動的、「深入りする」は能動的、「拘泥する」はこだわりの強さを強調するなど、文脈によって使い分けが必要です。
「かかずらわる」とはどう違うのですか?
「かかずらう」と「かかずらわる」は基本的に同じ意味で、方言や個人の言語習慣の違いによる表現のバリエーションです。どちらも標準語として認められており、意味や使い方に大きな違いはありません。お好みの方をお使いください。
なぜ「かかずらう」は現代であまり使われないのですか?
現代ではより直接的で分かりやすい表現が好まれる傾向にあり、「かかずらう」のような古風で婉曲的な表現は日常会話ではあまり使われなくなりました。また、ネガティブな状況を暗に示す表現よりも、率直な表現が好まれる現代のコミュニケーションスタイルにも影響されています。