たり得るとは?たり得るの意味
資格を備えている、値する、ふさわしいという意味
たり得るの説明
「たり得る」は、ある役職や立場に必要な資質や能力を十分に持っていることを表す表現です。読み方は「たりうる」が基本ですが、一部の辞書では「たりえる」とも記載されています。否定形の「たり得ない」は「たりえない」と読みます。この表現の成り立ちは、格助詞の「と」に動詞の「あり」が結合して音変化したもので、名詞の直後に付けて使用するのが特徴です。例えば「社長たり得る人物」というように、その人が社長としての資質を備えていることを示します。
言葉の使い方には細かいルールがあって勉強になりますね!正しい表現を覚えてスマートに使いこなしたいです。
たり得るの由来・語源
「たり得る」の語源は、格助詞「と」と動詞「あり」が結合して音変化した「たり」に、「得る」が付いた形です。古語では「とあり」が「たり」となり、「~である」という断定や状態を表す表現として発展しました。中世以降、可能や価値を示す「得る」と結びつくことで、「~でありうる」「~する価値がある」という現代の意味が定着しました。歴史的仮名遣いでは「たりうる」と表記され、文語的な響きを残しながら現代語として使われ続けています。
言葉の背景を知ると、普段何気なく使っている表現にも深い歴史や意味が込められているんだなと感じますね!
たり得るの豆知識
面白いことに、「たり得る」は書き言葉ではよく使われるものの、話し言葉では「~にふさわしい」や「~できる」と言い換えられることが多いです。また、この表現が最も頻繁に使われる場面は新聞やビジネス文書で、特に人物評や資格評価の際に好んで用いられます。さらに、「たり得る」の否定形「たり得ない」は、可能性の否定だけでなく、「到底~ではない」という強い否定の意味合いも持つため、使い方に注意が必要な表現でもあります。
たり得るのエピソード・逸話
作家の夏目漱石は『こころ』の中で「先生たり得る人物」という表現を使っており、教養と人格を備えた人物像を描いています。また、元プロ野球選手の長嶋茂雄氏が現役時代に「彼なら4番打者たり得る」と評されたことは有名で、これは単に能力だけでなく、チームを引っ張る資質までを含んだ賛辞でした。近年では、ある政治家が「首相たり得る人物」と報道された際、その表現の重みが話題となり、言葉の持つ奥深さが再認識されました。
たり得るの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「たり得る」は助動詞「たり」と補助動詞「得る」の複合形式であり、日本語の可能表現の一種です。統語論的には、名詞に直接接続して「N+たり得る」の形を取る点が特徴的で、これは日本語の格助詞体系における特殊な用例と言えます。意味論的には、単なる可能性だけでなく、社会的適格性や価値判断を含む多層的な意味を持ち、文脈によって「能力的可能」「状況的可能」「価値的可能」のいずれかを示します。また、この表現の丁寧体である「たり得ます」はほとんど使われず、もっぱら常体で用いられるという文体上の特徴もあります。
たり得るの例文
- 1 徹夜で準備したプレゼン資料を見て、上司に『これはクライアントに提出するに足り得る内容だ』と言われた時の達成感といったらありません!
- 2 子育て中の友人が『この忙しさでは、理想の母親たり得ていない気がする』とこぼすのを聞いて、みんな同じことで悩んでいるんだなと共感しました
- 3 新しいプロジェクトのリーダーに任命された時、『果たして自分がリーダーたり得るのか』と不安で夜も眠れなかったあの気持ち、わかります
- 4 取引先から『御社のような信頼に足り得るパートナーと仕事ができて光栄です』と言われて、これまでの努力が報われた気がしました
- 5 婚活パーティーで『人生の伴侶たり得る人を見つけるのって、本当に難しいですね』と誰かが言うと、会場のみんなが深くうなずいていたのが印象的でした
「たり得る」の使い分けと注意点
「たり得る」を使う際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。まず、この表現は基本的に書き言葉として使用され、格式ばった印象を与えるため、ビジネス文書や公式な場面で特に効果的です。ただし、日常会話では「〜にふさわしい」や「〜できる」など、より自然な表現に言い換えることが多いです。
- 肯定形は「たりうる」、否定形は「たりえない」が基本の読み方
- 名詞に直接接続する(例:リーダーたり得る)
- 可能の意味だけでなく、価値判断を含む場合が多い
- 過度に使用すると堅苦しい印象を与える可能性あり
また、この表現を使用する際は、対象となる人物や物事が真にその価値や資格を持っているかどうかを慎重に判断する必要があります。安易に使うと大げさな印象を与えかねないため、使用場面を選ぶことが重要です。
歴史的な変遷と現代での位置づけ
「たり得る」の起源は中世日本語にまで遡り、当時は「とありうる」という形で使用されていました。時代とともに言語が簡略化される中で、現在の形に定着しました。明治時代の文語文では頻繁に使用され、夏目漱石や森鴎外などの文豪たちも作品の中でこの表現を効果的に用いています。
真の教育者たり得る者は、知識を授けるだけでなく、人間としての在り方を示すものでなければならない。
— 森鴎外
現代では、新聞の社説やビジネスレポート、学術論文など、改まった文章で特に重宝される表現となっています。デジタル時代においても、その格式ばったニュアンスから、重要な評価や判断を示す際の表現として生き続けています。
関連用語と表現のバリエーション
| 表現 | 意味 | 使用場面 |
|---|---|---|
| 値する | 価値や資格がある | 格式ばった評価全般 |
| ふさわしい | 適している、相応しい | 日常会話から改まった場面まで |
| 相応しい | 釣り合っている、適している | やや格式ばった表現 |
| 適任である | その役職に適している | 人事評価や推薦状 |
これらの関連表現は、文脈や場面に応じて使い分けることが重要です。「たり得る」はその中でも最も格式ばった表現であり、特に重要な評価を下す際に用いられます。例えば、人事異動の公式文書では「部長たり得る人物」と表現する一方、日常会話では「部長にふさわしい人」と言い換えるのが自然です。
また、「たり得る」のバリエーションとして、「〜たり得えず」という古風な否定形や、「〜たり得んと欲する」のような文語的な表現も存在しますが、現代ではほとんど使用されません。
よくある質問(FAQ)
「たり得る」と「足り得る」はどう違うのですか?
「足り得る」は誤用で、正しくは「たり得る」です。「足りる」は「十分である」という意味の動詞ですが、「たり」は格助詞「と」と動詞「あり」が結合したもので、名詞に直接つながって「~である」という状態を表します。つまり「社長たり得る」が正しく、「社長足り得る」は文法的に誤りです。
「たり得る」の読み方は「たりうる」「たりえる」どちらが正しいですか?
基本的には「たりうる」が正式な読み方です。ただし、現代では「たりえる」と読まれることも増えており、一部の辞書でも記載されています。否定形の「たり得ない」は「たりえない」と読みますので、文脈に応じて使い分けると良いでしょう。
ビジネス文書で「たり得る」を使う場合の注意点はありますか?
ビジネス文書では、格式ばった印象を与えるため、重要な評価や資格を示す場面で効果的です。ただし、口語的な会話では「~にふさわしい」「~できる能力がある」などと言い換えた方が自然な場合もあります。文書の種類と読者層に合わせて使い分けることをおすすめします。
「たり得る」の類語にはどんなものがありますか?
「値する」「ふさわしい」「相応しい」「適任である」「資格がある」などが類語として挙げられます。また、「匹敵する」「見合う」も近い意味で使われることがあります。文脈によってこれらの表現を使い分けることで、より豊かな表現が可能になります。
なぜ「たり得る」のような格式ばった表現が現代でも使われ続けるのでしょうか?
「たり得る」が使われ続ける理由は、この表現が持つ「権威性」と「評価の重み」にあります。短い表現で深い敬意や評価を込められるため、改まった場面や公式文書で重宝されるのです。また、日本語の伝統的な表現を大切にしたいという意識も背景にあるでしょう。